就労定着支援の指定申請(名古屋市速報版)

障がい福祉サービス

昨日、平成30年度から始まった新サービス「就労定着支援」の新規指定指定申請に関して名古屋市障害福祉課と相談を行ってきました。
名古屋市では、一番目の相談だったそうです。

他の管轄地域の方にも、参考となる部分が多いと思いますので、現時点で判明していることを整理してみます。
もちろん、他の都道府県や指定都市、中核市では運用が異なる場合もあると思いますので、詳しくは管轄の行政庁へ確認をお願いします!

法人・事業所の要件

法人要件に特別な制限はありません。他の障害福祉サービスと同様、社会福祉法人・NPO法人・一般社団法人・株式会社・合同会社などです。

ただし、これは最初から明記されていることですが、就労実績が求められます。

就労実績を持つ「親亀」の事業所があることが条件

就労定着支援は、「就労実績のある生活介護等」の事業所のみが実施主体として認められています。

具体的には、

生活介護等=生活介護、自立訓練(機能訓練/生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型

就労実績=過去3年間で平均1人以上、通常の事業所に新たに障害者を雇用させていること

つまり、もともと日中活動系の事業所を運営していて、原則3年間の平均で年1人以上を一般就労(A型への就職は含みません)させていることが実施主体の要件となります。
親亀(日中の事業所)の上に子亀(就労定着支援)が乗るようなイメージです。

現実的には、就労実績から考えると、就労移行支援事業所に一日の長があるでしょう。
とはいえ、就労継続支援や自立訓練でも一般就労を出している事業所は一定数あるのも事実ですね。

今回相談したなかでは、過去3年ではなくて、過去3年で実績を評価していました。

たとえば、3年前の6月1日に開所した事業所で、これまでに3人の一般就労者がいる事業所であれば、今年の6月から指定申請の受付が可能となります。
「5月31日で3年成立しているのでは?」
という見方もありますが、月単位で見ているため3年=36ヶ月目ではなく37ヶ月目から指定の要件を満たすということになります。

開所期間3年未満でも3人就労させていれば指定可能!?

名古屋市の場合は、既に指定要件に該当するか自動判定する様式を作成していましたが、

「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」(平成18年12月6日障発第1206001号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)の一部改正について

を読むと、以下のような記載があります。

(2)実施主体(基準第 206 条の7)
(略)
また、生活介護事業所等の事業運営が3年に満たない場合であっても、生活介護事業所等の利用を経て通常の事業所に雇用された者が3人以上いる場合には、指定就労定着支援の実施主体としての要件を満たすこととする。

就労移行支援等の開設から、3年を経ていなくても、十分な就労実績があれば指定要件は満たすということです。
このあたりは、指定相談の際に行政への確認をして進めましょう。

人員配置の要件

人員配置は大きく3つです。

  • 管理者
  • サービス管理責任者(サビ管)
  • 就労定着支援員

管理者とサービス管理責任者は、”親亀”の生活介護等の事業所の管理者・サビ管と兼務可能です。
ただし、親亀・子亀の利用者数の合計が60人を超えると、1人のサビ管の上限を超えますので、それぞれ合計の利用者数に合わせて複数のサービス管理責任者を配置する必要が出てきます。

就労定着支援員は、40:1(利用者40人に対して1人)の配置となります。後述する定員の算定方法からすると、すごく少ない時間数の配置で良いことになります。
ただし、実態として利用者1人あたり月一回以上の訪問や面談、企業との連絡調整を考えると、常識的に考えてそれなりの時間数は配置する必要があります。

設備の要件

親亀である、生活介護等の事業所の事務室、相談室を共用することができます。
名古屋市では、相談室が2つ(親亀と子亀で両方同時に相談が入った場合を想定)あると望ましいという反応です。
この辺りは、自治体ごとに大きく見解が分かれてきそうです。

次に気をつけたいのは、日中の事業所の指定からかなり時間が経っている場合。
指定申請のローカルルールが変わっていたりして、思わぬ配置変更を要求されることがあると思います。
事前に図面を用意してしっかり相談しましょう。

あとは個人情報ファイルを保管する書庫は、就労定着支援だけのものを別途用意してください。

利用者数の考え方は?

就労定着支援の新規指定申請の場合、当然ですが就労定着支援としての前年度実績はありませんので、少し特殊な計算方法で算定します。

事業所指定時~6ヶ月目まで

親亀となる日中の事業所から、過去3年の間に一般就労して6ヶ月間以上定着した人数の70%で算定します。
一例を上げるとこのような感じです。
6ァ月定着者が5人の場合:

5人(6ヶ月定着者数)×70%=3.5人

ちなみに、この場合の就労定着支援員の必要常勤換算数は・・・、

3.5人÷40=0.0875(小数点2桁目で繰り上げて0.1人)

この人数ではさすがに、訪問のための移動も難しくなってしまいます。
支援に支障をきたしますので、どうしても0.4、0.5人くらいの配置は必要ですね。

6ヶ月目~12ヶ月目まで

直近6ヶ月の全利用者延べ数を6で割った人数で算出します。
つまり、ひと月あたりの平均です。

指定から1年以上経ったら

同じく直近12ヶ月における、ひと月あたりの平均利用者数で算出します。

報酬はどうやって決まる?

ここでは利用者数20人以下の場合でご紹介します。もっと詳しくは、こちらのリンクから7ページ目を参照してください。

  1. 就労定着率が9割以上の場合 : 3,200単位/月
  2. 就労定着率が8割以上9割未満の場合 : 2,640単位/月
  3. 就労定着率が7割以上8割未満の場合 : 2,120単位/月
  4. 就労定着率が5割以上7割未満の場合 : 1,600単位/月
  5. 就労定着率が3割以上5割未満の場合 : 1,360単位/月
  6. 就労定着率が1割以上3割未満の場合 : 1,200単位/月
  7. 就労定着率が1割未満の場合 : 1,040単位/月

※就労定着率=全利用者の中で6ヶ月以上雇用が継続されている人の割合

いつ指定申請を行うかが重要に

ここで気になってしまうのが、「いつ指定申請をするか?」になります。

たとえば、「7月に指定申請を行い9月から開所した場合」と、10月に指定申請を行い12月から開所した場合」で、就労定着率が変わることが考えられます。

  1. 7月の時点で利用者10人(うち就労6ヶ月未満が5人)=定着率5割  1,600単位/月
  2. 10月の時点で利用者10人(うち就労6ヶ月未満が2人)=定着率8割 2,640単位/月

このように、申請のタイミングで定着率が変動すると基本報酬が大きく変わってしまうのです。
(時間の経過=定着率が上がるとは限らないところが厳しい)

したがって、事業者判断としては、

  • 初年度報酬が低めでも、できるだけ早く開所して利用数を増やしていくのか?
  • 初年度報酬が高くなるまで待って、高単価を狙うのか?

といった、予測に基いた経営判断が必要になってきます

運営にあたっての書類はどうなっている?

現時点で、明確な様式はないようです。
サービスの特性から考えて、最低限これだけのものは必要になるでしょう。

  • 個別支援計画書
  • 本人面談記録
  • 企業担当者との連携記録
    ただし、クローズでの就職も想定されているため、企業訪問は努力義務となっています。
  • 関係機関(医療機関や障害者就業・生活支援センター等)との連携記録

また、指定申請の際には必須ではないようですが、

  • 就労先と利用者の雇用契約書または在籍証明書

は、必ず取っておき保管するようにしてください。
実地指導において、就労実績の裏付けとなる書類の提出を求められた際に、いつから雇用されているのかがわかる書類は、絶対に必要になります。
就労移行支援事業所であれば、意識して保管していると思いますが、他のサービスの事業所ではあまり気にしていない所もあると思います。

雇用契約書のコピーはとっても重要です。

他サービスとの併用について

就労定着支援では、仕事のある生活全般におきる問題への、相談や援助を目的としています。

このため、自立生活援助や訪問型自立訓練(生活訓練)は、支援内容に重複がすることから、併用ができないと明記されています。

これ以外にも、本人が既に就労していることから、就労移行、就労継続支援の併用も難しいと思われます。

とはいえ、いきなり週5日フルタイムで働くということも考えづらいため、仕事がない日の居場所という意味で地域活動支援センターとの併用については、今後重要性を増してくると考えられます。

 

以上が、名古屋市で、就労定着支援で指定申請を進めるための情報提供第一弾となります。
今後また詳しいことがわかったら、こちらに書きたいと思います。

 

お読みいただきありがとうございます。

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